ドラゴンボートはスポーツとしての側面だけでなく、香港の社会、文化と密接なかかわりのある競技です。日本龍は、ドラゴンボートを通して、香港の地域社会との交流も行っています。
<大潭(タイタム)村との繋がり>
1990年に行われたドラゴンボートの国際大会において、当時日本龍の前身であった日本チームは決勝に勝ち進みました。機運に乗った当時のメンバーたちは香港日本人倶楽部の正式な同好会として申請し、同年夏には承認を受けました。日本龍はこの設立当初より、大潭村をクラブのホームベースとしてきました。大潭村そばの大潭湾は香港島の南東に位置し、一年を通して穏やかな湾は、ドラゴンボートの練習には理想的な場所です。発足当時、日本龍は中型のドラゴンボートを一艇購入しました。これ以降、日本龍の代々のボートは大潭村に停泊させてもらっています。また、天候や台風など、海のコンディションは常に変わるため、日本龍のボートの維持には、大潭村の協力が不可欠です。日本龍の活動は、当初から今日に至るまで、大潭村の村民の皆さんの協力なくしては成り立ちません。
<西貢HKADBAチームとの交流>
日本龍は西貢のドラゴンボートチームである、香港アマチュアドラゴンボートアソシエーション (HK Amateur Dragon Boat Association またはHKADBA)と姉妹チームとして交流を行っています。日本龍のHKDBAとの出会いは1992年まで遡ります。この年、日本龍は北京にて行われたドラゴンボートの国際大会に参加しました。日本龍が設立されて間もないころであり、この大会が香港以外での海外試合への初参加でした。北京大会への参加有志をメンバーからつのり、遠征チームを結成しましが、試合のボートに添乗するだけの十分な漕ぎ手が集まらないという問題が発生しました。そのため、日本龍は現地にて他のチームからの協力を仰ぐことにしました。北京にて大会運営組織が紹介してくれたのが、同じく香港から参加していたHKADBAでした。HKADBAが漕ぎ手を提供してくれることで、無事、日本龍はこの大会に参加することができました。それ以来、HKADBAは日本龍の姉妹チームとして交流を行っています。ドラゴンボートのシーズンは毎年、旧正月の後の日曜日に行われる浸水式をもって正式にスタートします。HKADBAはホームベースである西貢で、日本龍は大潭でそれぞれ行う式典に、お互いに招待しあい、毎年新しいシーズンを迎えています。